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楽器メンテナンス

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事例チューナーのぶの調律日誌

調律は音を合わせるだけではありません

ピアノ内部のフェルトの虫喰い修理
ピアノ内部のフェルトの虫喰い修理
ピアノ内部のフェルトの虫喰い修理

ここ最近「弾いていないから・・・」とピアノの調律をされない人が多くなっています。上記は長く放置したために、ピアノの内部のフェルトに虫喰いが見られた写真です。定期調律時に鍵盤を取り外し掃除して埃を取り除くことにより虫喰いの広がるのを防ぎます。この際に写真のように防虫剤を入れることにより虫害の進行を防ぎ、木部のカビ予防にもなります。このところ雨の降り方も酷くなり、湿気による故障も増えています。

鍵盤下の木部のカビ修理
鍵盤下の木部のカビ修理
鍵盤下の木部のカビ修理

こちらは鍵盤下の木部にカビが広がった写真です。次がハンマーの横に同じくカビが出てしまった写真です。

また、ピアノを弾くときに教本を譜面立てに置いて、消しゴムで注意書き等を消すと鍵盤の下のところに落ちて溜まってしまっているのがよく見られます。実は消しゴムのカスは曲者でピアノを悪くする原因になります。

一般家庭において縦型ピアノの置き場所は壁側を背に置くことが多いと思いますがその重いピアノを動かしてまで掃除することは大変な手間です。しかしその場所を定期調律時に掃除することもとても大切な調整のひとつです。そのままにしておきますと蜘蛛の巣をはられたりゴキブリ、ネズミなどの害虫が悪さをすることもあります。

余談ですが電子ピアノ等の鍵盤楽器では調律自体は必要ではないのですが、鍵盤下に基盤がありそこに埃等ごみが付きますと電気が流れたときに最悪の場合、火花が出て音が出なくなることもあります。2~3年に一度は掃除調整していただくことをおすすめします。

ここまで掃除にこだわるのは単にきれいにすることを目的としているのではありません。埃によって湿度が入り込み、カビや錆の原因にもなります。カビは初期なら表面だけですがそのまま放っておきますと木部なら腐ってフカフカの状態になります。まるでシロアリが木をぼろぼろにしたような状態になってしまうことも。強いピアノ線も錆によって中まで腐食をして断線をひき起こしてしまいます。

ピアノのハンマー部分の修理
ピアノのハンマー部分の修理
ピアノのハンマー部分の修理

こちらの写真はピアノのハンマーを外した写真です。バットスプリングコード(白い紐)が切れています。これも湿気で角質化して弾力がなくなりピアノを弾くことによって切れてしまうのです。切れたまま弾きますと、左の写真のようにスプリングが他の部品に当たり曲がってしまい、スプリング自体も弱くなり折れて交換しなければなりません。真ん中の写真はコードを交換した後のものです。右の写真はハンマーを1台分コード交換のために外したところです。このコード交換は基本的に1台同時交換になります。

GP調律時の内部分解清掃の写真
GP調律時の内部分解清掃の写真
GP調律時の内部分解清掃の写真

GP調律時の内部分解清掃の写真です。鍵盤を引き出すだけでなくハンマー部分を分解します。

GPは大屋根を立てる時の突っかい棒が付いている側付木を取り付けているネジがよく緩んでいます。これが緩んでいるとガタつくだけでなくネジが曲がったり終いには折れて屋根の落下事故が起き大変危険です。

ピアノの中にはたくさんのネジが使われています。湿気たり乾燥したりの繰り返しでネジが緩んでカチャカチャと雑音が出たりもします。調律時にはネジの増し締めをするのですが締め過ぎはネジ穴を駄目にしてしまうので慎重に締めます。

調律のお見積り承ります

よくお電話で、調律のご依頼をいただくのですが、その際にピアノの状態などの情報が何もないことが多くあります。ピアノの状態が判断できない状態での費用のご提示はとても難しいのです。

例えば何年も調律がされていない、大きく狂ったピアノを調律する際、一気に音を上げようと弦の張力を変化させると断線してしまいます。狂いの程度によっては、音だけでも2~3日かけて戻すこともあります。大抵の場合、年に2~3回、3年目安で段階的に戻していくのがピアノ自体にも負担がかからず、調律時の断線等の追加も少なくて済むかと思います。

場合によっては部品が必要になることもありますので、調律依頼の場合は先に見積もりをさせていただきたいと思います。ピアノ調律は、年に1~2回は必要なものです。今は弾いてないから・・・。と放っておくと、カビや錆などで部品交換しないと修理できなくなってしまうのです。つまり放っておくとリスクも高くなるということです。部品も昨今オリジナルのものが手に入らない場合もあり、加工調整しながら修理しなければならず、料金も大きくなりがちです。早めのメンテナンスが料金を抑えるのに有効ですのでお気軽にご相談ください。

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